PLAYER INTERVIEW
出身は福島県田村市です。現在も田村市から葛尾村まで通っています。私が教員になろうと思ったのは、自分を成長させてくれたバスケットボールに関わりたいと思ったからです。高校生の時に膝を怪我してしまったため、体育の教員になることは諦めましたが、部活動で関わっていきたいと思いました。大学に入り、教育実習を経て教員になると、子どもたちの成長を間近で感じられることにとても魅力を感じました。それがやりがいであり、今でもこの仕事を続けている理由だと思います。
葛尾小学校の児童数は現在8名。極少人数であることを強みとしつつ、その課題を克服する取組を行っています。最大の強みは個に徹し、児童一人一人に寄り添った指導ができることです。葛尾村教育委員会の施策によりICT環境が整っており、一人一台のタブレットが支給されているため、新型コロナウイルス感染症による臨時休業中もオンラインで授業を行うなど、素早い対応ができたもの極少人数だからこそと言えます。さらに、中学校とは同じ校舎であり、幼稚園も併設されているため、幼稚園や中学校と連携しやすい環境にあります。
園児・児童・生徒の交流はもちろん、教員同士の交流や連携を図った取組を行っています。
課題としては、極少人数であるがゆえに常に教員の目が行き届いてしまうところです。そのため、様々な場面において児童が教員に頼りがちな傾向が見られます。その対策として、児童が自己決定する場を意図的に設け、課題に向き合う時間を十分に確保するとともに、必要以上な声かけを控えるなどして成長を促す指導を心がけています。また、児童の主体性や社会性を育むために、田村市の小学校と合同で体育の授業を行ったり、富岡町や浪江町の学校とオンラインでつなぎ、遠隔合同授業を行ったりしています。
多くの子どもたちは、高校・大学進学で葛尾村を離れることになりますが、できることなら戻ってきて、葛尾村の未来を担う人材になってほしいと願っています。子どもたちは葛尾村が大好きです。その気持ちを私たち教員も大切にしていきたいと思っています。昨年まで行っていた地域との交流は、コロナ禍のため思うようにできていませんが、今後は時期を見極めながら再開していきたいと思っています。
さらに令和3年度からはSDGsにも取り組もうと考えています。少しずつではありますが、集会でSDGsの話をしたり、SDGs関連の本を教室に置いたりしています。今後の具体的な計画は模索中ですが、児童の考えを取り入れながら「総合的な学習の時間」で地域の歴史や文化を調べたり、魅力を発信したりしていく中でSDGsに関連していることを理解させ、児童の意識を高めていきたいと思っています。SDGsに詳しい方々との連携を深めていきたいですね。
(2021年2月18日取材)