INTERVIEW

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一般社団法人葛尾むらづくり公社
成田 朱実さん

高校時代は、この世界がどのようにできたのか、私がどこから来たのかというようなマクロな世界観に興味を持ち、理数科のラボの授業で相対性理論を学んでいました。

ラボの授業でグループワークを多く経験した中で、「自然の真理」的な課題よりも、人といかに協働するかの方が難しい課題であると感じていたところ、プロジェクトマネジメントという概念に出会いました。こんなにも不確実な人と協働することを、最大限システマチックに捉える考え方があるのだと感動し、大学ではプロジェクトマネジメントを専攻することになりました。

大学時代は、スウェーデンの家具メーカーのイケアでパートタイマーとして働きました。多様な人がお互いを尊重しながら働く職場で、スウェーデンという国の文化に心地よさを感じました。卒業後は、国際的なプロジェクトマネジメントの経験が積めて、同じくスウェーデンの文化がある、通信機器メーカーのエリクソンに5年間勤務しました。5年間のうち、後半3年間ほどはプロジェクトマネージャーとして働き、2021年5月にはプロジェクトマネジメント・プロフェッショナル(PMP:アメリカ合衆国で発行されているプロジェクトマネジメントに関する国際資格)を取得しました。その後くらいから、プロジェクトマネージャーの次に何を目指すのかということを考え始め、より上位の職ということも考えたのですが、小さい頃から自然が好きだということもあり、地域でプロジェクトマネジメントの経験を活かせる仕事に就きたいと思うようになりました。

そんな時に、葛尾村で地域プロジェクトマネージャーの募集があることを知りました。他の地域でもいくつか同様のポジションの募集がありましたが、その中で最も組織として地域プロジェクトマネージャーを支える気概を感じ、タイミングとご縁がぴったり合ったこともあり、一般社団法人葛尾むらづくり公社の移住・定住支援センターにて、移住支援員(地域プロジェクトマネージャー)として働くことになりました。

この仕事で、私に求められていることは、村民の方としっかり対話し、葛尾村のアイデンティティを理解し、後世に引き継ぐことだと思います。そのため、新しいアイデアを提案する前に村民の方々の想いや大切にしていることを理解し、信頼関係を築く事が大切だと考えています。また、移住を考える方は、人生の分岐点にいらっしゃる方が多く、ひとりひとりの人生に丁寧に寄り添った対応をしていきたいです。

今後は、葛尾村に移住者が増えてきた際に、新旧住民間の対立構造を生まないよう、相互に尊重できるコミュニティ開発にも取り組んでいきたいです。私自身もいろんな葛藤を感じながらの仕事ですが、これからも村民や移住者の方々に寄り添い、葛尾村を持続可能な場所にしていきたいです。

(2022年7月取材)


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