INTERVIEW

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社会福祉法人 葛尾村社会福祉協議会
川島 博幸さん

葛尾社会福祉協議会は、地域福祉センター「みどり荘」での通所介護(デイサービス)、訪問介護(ヘルパー)派遣などの高齢者福祉サービスを提供する村内唯一の事業者です。そのため、私たちはお年寄りのためだけの組織と思われてしまいがちですが、実際は地域の方どなたでも相談にいらしていただけます。「社協に行けばなんとかなる」と思って、気軽に来ていただきたいですね。具体的には、皆さんがより良く安心して生活できるよう、住民の相談にのる活動や民間活動の支援、共同募金運動への協力など、多方面から地域の福祉増進に取り組んでいます。

2011年の原発事故で全村避難となった直後、葛尾社協も村民向け仮設住宅が整備された三春町に拠点を移して住民支援を続け、同年11月に高齢者等サポートセンターができてからは、休止していた介護事業も再開しました。また、村民が互いに疎遠になってしまわないよう、週1回の体操や語り部の会など様々なサロン活動を、10か所の仮設住宅のほか、仮設以外にお住いの皆さんの近くへ出張するなどして行いました。村民の方々の避難先を訪問し続けることで徐々に心を開いてお話しいただけるようになり、そこで見えてきた課題は行政や他の専門職の方々と連携して一つ一つ解決を目指しました。そうした努力の結果、いまでも村民の方々ととても近い関係が維持できているのだと思います。

実は、私が葛尾社協で働き始めたのは2011年3月11日です。もともと4月からの予定だったのが、さまざまな事情で偶然にもその日から勤務開始となったのです。朝仕事に就いて、その日の午後に地震が発生。それから混乱が続きましたが、その中でもずっと村民の皆さんのために動き続けてきました。村が抱える課題は少なくありませんが、これからも皆さんが住み慣れた地域で安心して生活できるよう、他の機関や団体と連携しながら精一杯お手伝いしていきます。なにかあれば気軽に相談にいらしていただけるよう、窓口を広く開けてお待ちしています。

(2020年6月取材)


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