PLAYER INTERVIEW
吉田林業は私で四代目になります。仕事の内容は主に森林管理署から立木公売を買い受け、伐採搬出請負、造林、保育、伐採後に行う地拵え、植付、下刈、除伐、間伐などです。
一、二代目までは森林管理署から立木を買い受け、木を全てノコギリで切っていたんです。山中の土で作った釜で炭や薪を作って、『木そり』に乗せて人力や馬・牛などでトロッコ道まで運び出しました。運び出した後はトロッコに移して隣町の浪江駅まで運び、東京方面まで販売に行っていたんですよ。
三代目になると、トロッコではなくディーゼル機関車で運搬するようになり、伐採もノコギリでなくチェンソーで切るようになりました。その他にもたくさんの重機が入るようになり、集材した木材もトラックで運搬することが出来るようになりましたね。この頃から県内各地に木材市場や製材所、チップ工場ができ、丸太のまま用途に応じた木材を運搬販売するようになったんです。私の代になってからも様々な高性能機械を取り入れて作業を行っているので、昔と比べると作業効率も良くなったんですよ。
葛尾村は海に面していないものの、浜通り地区に位置し、ほぼ浜通りの市町村から仕事を請け負っていました。なので、10年前の震災では、これから先どうなるのか不安で何も考えが浮かびませんでした。放射能がどの程度影響するのかわからず、このまま林業を続けていくのは難しいのではないかと思い、会社をたたむことも考えたんです。その旨を従業員の皆と話し合ったところ、これまで通り続けていきたいと言ってくれました。その言葉がうれしくて、不安がある中でもここまで頑張ることが出来たんだと思います。
山を歩き、様々な重機を使うため、慣れるまでは決して楽な仕事とは言えません。しかし林業は緑豊かな自然の中で出来る仕事です。それに、新型コロナウイルスがいまだに世界中で猛威を振るっていますが、林業は三密になることもなく体を動かしながら安心してできます。
吉田林業は今、従業員を募集しています。林業に興味のある方がもしいれば、私も精一杯お教えしていきたいと思っています。一緒に働いてみませんか?
(2021年2月取材)