INTERVIEW

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株式会社かつらおファーム
佐藤 美季さん

私の趣味はヤギと戯れることで、将来、一軒家でヤギと一緒に生活するのが夢です。私にとってヤギのいない生活は考えられません。

幼い頃から動物が好きで、将来は動物園の飼育員になりたくて、地元・埼玉県の工業高校卒業後は千葉県にある動物専門学校へ入学。多くの動物に触れ、人口受精、去勢、徐角、糞便検査、哺乳、人工保育など様々な体験をしながら多くを学びました。卒業生の多くは動物園や水族館への就職や獣医師への道を進んでいきますが、私の場合は在学中に多くの動物園を見学する中で牧場へと興味が向かいました。大草原の中に動物たちが放牧されていて、来訪者もゆっくり癒されるような素敵な場所で、動物たちの飼育をしながら生活したいと思うようになったのです。

2021年、専門学校の施設研修の一環として「かつらおヤギ広場がらがらどん」にて1ヶ月間を過ごし、基本的な実務としてヤギの飼育作業に携わりました。実は、研修の第一希望は千葉県にあるヤギをメインとした牧場だったのですが、そこがコロナ禍で受け入れ中止となってしまい、再度、同様の事業者を探す中で「かつらおヤギ広場がらがらどん」を見つけたのでした。葛尾村が東日本大震災と原発事故の被災地だということは知っていましたが、私はそれほどネガティブなイメージは持っておらず、とにかくヤギに触れたい、飼育をしてみたいという気持ちで応募したのです。

ここで研修して改めて「ヤギに関わっていきたい」という自分の気持ちを再確認しました。ヤギの魅力を一言で言えば……「全部」です(笑)。テンションが上がると走りながら体をひねりジャンプする姿(喜びの表現)、雄同士が互いに角をぶつけ合う仕草もかわいいし、餌を食べているときのお尻が堪らなくキュートです。

研修終了後は他にも多くの動物園を見学したのですが、「かつらおヤギ広場がらがらどん」は最初にヤギの飼育を本格的に体験できた牧場として特に印象が強かったので、卒業後はその運営会社である株式会社かつらおファームへの就職を決意。2022年4月、入社と同時に葛尾村へ移住しました。

現在の主な仕事は餌やりなどの飼育作業、観光牧場としての接客業務、除草用ヤギの貸し出し、企業へのヤギの貸し出しなど多岐にわたります。日頃の業務で心掛けていることはヤギの健康管理です。一頭ずつ気を配って観察し、様子がおかしいヤギはフンなどに寄生虫がいないか確認して薬などを飲ませ、ケアしていきます。餌やり時も大事なチェックポイントです。餌を食べている際には尻尾が上がるので、お尻を確認して健康チェックをしていますよ。

この牧場では、いつか放牧場をつくることに挑戦してみたいですね。もっと広い草原の中で、たくさんの白いヤギが草を食んでいる光景を見たいからです。それから、ペットとしてヤギを飼ってくださる方のところへ、ヤギの爪切や健康チェックなどアフターケアでフォローアップ訪問も実行できたらいいですね。多くの方がここに遊びに来て、ヤギと触れ合い、可愛いがってもらえたら嬉しいです。そのために私は最上級の可愛いヤギたちを育てていきます。

葛尾は自然が豊かで落ち着きます。私の父は葛尾村を訪ねてきた際に「良い場所じゃないか」と言っていました。両親は娘の夢を応援したいと、農家さんから野菜を集めてヤギの餌として提供してくれています。最近、車の運転にも慣れてきました。移住者が多い葛尾です。時間をつくり、ゆっくり交流していきたいです。

(2022年9月取材)


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