INTERVIEW

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葛尾村議会議員
松本 操さん

私は現在、葛尾村の村議会議員を務める傍ら、兼業農家としてコメなどを生産しています。2016年6月に葛尾村の避難指示が一部解除されたため、同年8月に村内の自宅へ帰還しました。三春町にあった葛尾村民の斉藤里内仮設住宅では自治会長を務め、村外の方を招いての農業体験や交流会のほか、自治会のみなさんとの親善旅行なども企画し、地域のつながりを大切にしてきました。

震災前は2町2反の土地でコメ作りをしていましたが、現在私の所有する田んぼのほとんどが村内で出た汚染土を詰めたフレコンバッグの仮置き場として使用されているため、3反5畝のわずかな土地で稲作をしている状態です。それでも、震災後に大阪で開かれた被災地の現状についての講演会に2度ほど参加した際、私が作ったコメの販売とおにぎりの試食を行ったところ「美味しい」と喜んで食べてもらうことができ、現地のコメ問屋3~4社ほどからコメの提供を依頼されたことはとても嬉しく思います。今後は葛尾村の産直米として扱ってもらえるよう、もっとコメ作りに力を入れていきたいですね。

また、これは震災前から始めていたことなのですが、畑にリンゴやウメの木を植樹し、その果実を使った加工品を村の特産品として作れないかと考え、栽培を続けています。植樹後まだ年数が浅いので収穫量は少ないですが、年々実ぶりも大きくなってきたので、今後の成長が楽しみです。

震災後、葛尾村の人口は一気に減ってしまいました。帰還する若者も少ないので、葛尾村はもっと魅力のある村に変わっていかなければならないと考えます。葛尾村が誇れるものとは農畜産業だと思います。ですから、一人でも多くの人が就農しやすい環境をつくり、支援体制なども強化していけるよう、今後も村議会にて発案していきます。

また、葛尾村には様々な草花の群生地や美しい景観が昔から点在しているのですが、それをPRする活動が進んでいません。村の花に指定されている山つつじの群生地がありますし、また湿地帯には水芭蕉やクリンソウを植えて、さらにそれらを一望できるような人口沼や橋などの整備をすることで、観光地化を図れたらと考えています。村外から観光などで来た人たちが「また葛尾村に行きたい」と思ってくれたらよいですね。

人口は少ないですが、葛尾だってやる気になれば何でもやれると思うんです。ですから、村を活性化するために頑張っている下枝君のような若者の存在はとても貴重です。下枝君のような人たちを様々な関わりの中でどう活かしていけるか、議会などでもアイデアを出し合ってうまく協働していきたいですね。

(2018年3月取材)


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