INTERVIEW

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株式会社かつらおファーム 代表取締役
鎌田 毅さん

私の生まれは満州国で、育ったのは葛尾村の大笹という地区です。葛尾村の小中学校に通って、卒業後は、春から秋にかけて酪農やタバコ作りをし、冬はダム現場の配管工事など出稼ぎをしていました。作物の育たない冬に出稼ぎをしていましたから、結婚してからの子育ては妻に任せっきりでした。41歳のときに商社と契約して起業し、鎌田農場の経営を始めましたが、本当は75歳で止めようと思っていたんですよ。

自分の年齢と妻の体調のこともあり、パートを2人雇おうと思っていた時に震災が来ました。何十年もかけて積み上げて来たものがすべてなくなってしまって、頭が真っ白になりました。養豚をやっていたので、震災直後から1か月間、一人で葛尾に残って、600頭いた子ブタを震災の影響のないところに出してやりました。一時は妻とも連絡が取れなくなってしまい、広域消防本部に電話をかけようと思ったらひょっこり家に帰って来て、「お腹すいた!」といってご飯を食べていた時は驚きましたよ(笑)

その後、同じ地区の人たちが避難していた柳津町のホテルに私たちも避難しました。そこでは掃除して綺麗にしたり、通路を修理するのにコンクリートを敷いたりしてましたね。でも葛尾には残してきた猫や豚がいたので、3日に1回は福島県を横断して葛尾に帰り、世話していました。その後は、やはり妻の体調のこともあったので田村市に引っ越しました。

今回、株式会社かつらおファームとして再スタートしようと思ったのは、やっぱり葛尾村にたくさんお世話になったから、というのが大きいですね。区長もやらせてもらったから、やらなくては!と思いました。夢は子ヤギを連れてのんびり散歩することです(笑) 来年度から製品の販売と事業を開始します。それに伴って、ヤギ肉を加工するための屠󠄀殺場が無いので、葛尾村に屠󠄀殺場も作りたいですね!

(取材日 2019/1/25)


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