INTERVIEW

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Cafe嵐が丘(葛尾村)
堀江 安則さん・みどりさん

引退したら大自然に囲まれて暮らしたいと、定年までの5年間、移住先を探して全国を回りました。たまたま知人の紹介で、葛尾村のこの土地を見て即決したんです。とにかく、丘の上からの景色がよかった。そのとき案内してくれた不動産業者の人が、「この辺は滅多に雪は降らないですよ」と言ったのも、決めた理由の一つだったんですが、それはちょっと違ったかな(笑)。東日本大震災の少し前のことです。

2011年3月に退職して本格移住し、その年の8月には自宅兼カフェをオープンする予定でした。近所の方が気軽に立ち寄って、お茶を飲んでいかれるような場所にしたいと思っていたんです。それが、震災と原発事故で4年以上も避難しなければならなくなるとは…。でも、2015年8月に準備宿泊が始まったのを機に葛尾に戻り、再度気持ちを切り替えて準備をして、2016年3月に念願の「Cafe嵐が丘」をオープンしました。

長年趣味で集めているコーヒーカップを店内にディスプレイし、お好きなカップを選んでコーヒーをお楽しみいただくのが、私たちの店のスタイル。コレクションは、そうですね、全部で300~400客くらいあったと思いますが、大震災のときに100客以上、割れてしまったんです。いまは残ったものを少しずつ入れ替えて飾っています。

新聞などでも取り上げていただいたおかげで、村民の方だけでなく、近隣の都路や常盤などからもお客様がおいでくださいますよ。村民の方の中には、私たちが移住者ということで、わからないことはないか、大丈夫か、と気にかけてくださる方もいて、ありがたいことです。いろんな人が来ていろんなお話をしていかれるので、楽しいですよ。やってよかったと思います。

でも、なにぶん客商売は初めてということもあり、お客様の数を予想するのは難しいですね。都会と違いますから、なかなか読めません。一度にたくさんいらっしゃるときもあるし、閑古鳥が鳴いてしまう日も。とにかく帰村人口がまだ100人余りということで、もう少し村に人が来てにぎやかになってほしいなと思います。

そんな中で、葛力創造舎の下枝さんのようにUターンして地域おこしに奮闘している若い人には、本当に頭が下がります。子育て中の現役世代は、なかなか戻って来られないかもしれませんが、とにかく葛尾村への人の出入りをもっと増やさないことには。

私たちはリタイヤした身ですから、カフェの経営は無理せず、マイペースでやっていくつもりです。が、下枝さんらの活動に、このカフェがなんらか役立つようなことがあれば、一緒に考えてみてもいいかなと思っているところです。

(取材:2017年5月 M/N)


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