INTERVIEW

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葛尾村役場 復興推進室復興推進係
藤井 泰樹さん

福島第一原子力発電所事故の影響が今もまだ残る葛尾で、どのようにして人々の暮らしを再建し、以前の暮らしを取り戻すのか、という基本方針を考えるのが復興推進室の大切な業務のひとつです。復興計画に関わることはもちろん、復興の先を見据えた村独自の事業の実施、農業以外の産業振興や地域振興に関する多様な業務があります。その中で私は、商工・観光の推進を通した地域振興をメインに担当しています。

商工・観光の推進とは、すなわち村民の生活を守ることの一つです。たとえば、今後村の人口がさらに減れば、数少ない商店がゼロになってしまうかもしれない。そうなれば必ず困る人が出てきます。都市部から見ればその数は多くないかもしれませんが、葛尾にとっては村の形に影響を与える大きな問題です。2011年の原発事故で失われた村の暮らしをそのまま取り戻すことはできなくても、できる限り以前の暮らしを志向しつつ、いまある暮らしをどうやって守っていくか。そのための商工・観光の推進であり、それをさらに村の魅力アップ、村に住まうメリット創出にも繋げていかないといけません。つまりマイナスをゼロに戻すフェーズから、プラスを生み出すフェーズへ移行する必要があります。

私の出身は兵庫県神戸市で、大学卒業まで兵庫県で過しました。福島県に来たのは、新聞で福島県の任期付き職員の募集を見つけたのがきっかけです。その後、任期終了のタイミングで葛尾村役場に就職しました。震災後の役場内は村外・県外出身の職員が増えており、それに伴って様々な変化も起きています。だからこそ、私のような外から来た人や若い人が、これまでとは違った視点で村のことをもっと深く考えていかなければならないと感じています。

(新型コロナウィルス感染拡大防止のため)いまは様々なイベントが自粛となっていますが、それでも村民の生活を守り続けるために、村内はもちろんですが村の外へ発信する機会など仕掛けを考える必要があります。私たち役場職員は、自身が村のプレイヤーであると同時に、葛力創造舎をはじめ地域に関わってくれる方々にとっての「お助けキャラ」でもあると思っていますので、皆さんとうまく一緒にやっていきたいですね。

(2020年5月取材)


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