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葛尾村役場 教育委員会
太田 順一郎さん

生まれは東京、実家は新潟ですが、母方の祖父母がいた葛尾で2歳の頃から震災後結婚するまで生活していました。現在は家族と共に郡山市に住んでいますが住民票は葛尾に残したまま葛尾に通っています。

3年前に地域振興課から教育委員会に異動し、現在は総務学校教育係と社会教育係、2つの係長を兼任しています。

葛尾は、福島第一原子力発電所事故被災への補助金が複数なくなった後も様々な住民支援を継続している、数少ない自治体です。葛尾幼稚園・小学校・中学校では村独自の就学援助制度があり、教材費や給食費、スクールバスなどにかかる費用は全て村が負担しています。また、学校教育の内容を補完するものとして、村営の塾やスイミングスクールに通う子どものいる家庭への助成などもあります。児童生徒数は幼小中すべて合わせて18名と少ないですが、少人数だからこそできる充実した教育内容が強みです。

社会教育では、村主催で1年間を通して複数回の教室を開く「生涯学習学級」と、住民の方の自主的な「やりたい」という声を受けて開講する「生涯学習スクール」を行っています。「生涯学習学級」には60歳以上の方対象の寿学級や成人女性対象の女性学級などがあります。個人では行きづらい遠方や観光地へ行く移動学習や、陶芸教室などの体験学習もあり内容は毎回様々です。「生涯学習スクール」として、健康づくりのための3B体操教室やパッチワーク教室も定期的に行われています。こうした機会が、村民のみなさんにとって趣味を見つけたり外に出たりするきっかけになるよう、取り組んでいます。

これからますます村人口が減り、児童数も減っていく中で、学校教育・社会教育事業をどのように維持していくかが課題です。その意味では、元村民の帰村を促すこれまでの取り組みだけでなく、外から新しい住民を呼び込む施策へとシフトしていく必要を感じています。そのためには葛尾村の認知度を向上させ、ここに住みたいと思ってくれた人が定住しやすい地域づくりをしていかなければなりません。葛力創造舎や葛尾むらづくり公社、その他の組織ともうまく連携して、できる限りのことをやっていきたいですね。

(2020年6月取材)


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