PLAYER INTERVIEW
最初はスタイリストとして服飾業界に入り、今は独立したデザイナーとして金泉ニット株式会社からの仕事を請け負い、海外事業部の仕事を任されています。
独立したのは、以前務めていた会社のやりたいことと自分自身がやりたいことの方向がずれてきたことが理由でした。規模が小さくても、直接お客さんの顔を見て仕事がしたいと思い、決断に至りました。前職をやめて独立する際に、関わりのあった金泉ニットの金岡社長に声をかけていただき、心が楽になりました。最終的に助けてくれるのは人だと実感しました。また、独立後は日本各地の工場を訪ねまわりました。人と人、顔を合わせて取引することが大切だと思っているからです。
服飾の世界は、華やかなイメージとは裏腹に、裏側は地味で苦労の連続です。しかし、新しい世代の人たちが私たちの作ったものを見て「かっこいい」「楽しそう」と思ってくれることが、楽しさややりがいにつながっています。また、日本の服飾業界における深刻な後継者不足の面でも、自分のできる範囲で次の世代へと継承できるモノづくりを目指しています。
金泉ニットでは、海外のお客さんともたくさん取引をさせていただいています。自分としても、日本で作ったものを海外に発信したいと考えています。海外の取引先は日本より率直に意見をくれるため、時には厳しい意見もバネにしてさらにいいものを作ろうと頑張っています。また、その方々は時差や距離を飛び越えて金泉ニットと取引をしてくれているわけで、なぜ信頼されているのか、何を求められているのか、お客さんと話をする中で常に考えています。
金岡社長の「福島から世界へ」という言葉には賛成していて、日本でしかできないことを発信していくという意味でも、更に上質なニットを作っていけたらと思います。金泉ニットはどの目標に対しても自由にやらせてくれるので、現在はどうしたらより良い方法で生産や発信を行っていけるか試行錯誤しています。そういった仕事の中、ニットの勉強をしたり、たくさんのお客様と関わって成長できるのが金泉ニットのいいところでもあると思います。福島工場にもこの成長を還元して、今後そういった場所になっていってほしいと願っています。社長が高齢なこともあり、自分が社長の思いや言葉をうまく福島工場の人たちに伝えていくことも福島工場の発展には欠かせないと自負しています。
今後の金泉ニットの発展に必要なのは、若い力だと考えています。なので、去年と今年に行われたインターン生の受け入れは、とても関心がありました。また、次の世代を作る大学生の考えや興味を知るきっかけにもなりました。多忙でなかなかできなかった広報や新入社員への対応にチャレンジしてくれるインターン生をありがたく感じています。特に、2021年春のインターン生の成果(新入社員向けしおり)には本当に驚かされました!これからも、学生たちには仕事に対する考え方やスピード感など、社会人のサポートを得ながら、たくさんの議論を重ねてほしいです。
(2021年3月取材)