PLAYER INTERVIEW
小学生の頃、お遊戯会で役を演じることが好きで、高校生になってから演劇部に入部したのですが、ふたば未来学園の演劇部はフィクションではなくノンフィクションを演じる部活だと知って驚きました。去年は双葉町の東日本大震災・原子力災害伝承館のメモリアルイベントで、個人の避難先での思い出や、避難先で優しくしてくれた方々への感謝の気持ちなどを演劇に取り入れました。
本人が本人の役を演じるのですが、その際部員何人かの震災当時の記憶を聞き、震災当時の実話を知りました。伝承館まで見に来て下さった方々が、泣いたり、「感動した」と感想を言ってくださったりして、私たちがこうして少しづつでも自分たちの想いを表現することが、双葉郡の希望になるのかなと思いました。
現在はもう部活を引退していますが、12月にある演劇の大会に、修学旅行で出ることが出来ない2年生の代わりに出演します。久しぶりなので楽しみでもあり緊張もありますが、2年生の分も頑張って来ます。
ふたば未来学園には「探求」という授業があります。福島県内の課題を自分で見つけて、その課題を解決するためのプロジェクトを企画して実施するという授業です。
私は故郷の葛尾村で探求をすることにしました。どうして葛尾村だったのかというと、友人と故郷の話になった時に、葛尾村がどんなところなのか全く話せなかったからです。自分でも驚きましたし、故郷の話ができないことに危機感を抱きました。どうして危機感を抱いたのかまでは自分でも分かりませんでしたが、その時から葛尾村で探求をしようと決めていました。
葛尾村の探求をしていくうちに、葛尾村を多くの人に知ってもらいたいと思うようになりました。葛尾村に住んでいなくても、葛尾村に定期的に関わってくれる人がたくさんいれば葛尾村が今後も存在していくのではないかと考え、関係人口を増やすためのプロジェクトを作りました。
作ったプロジェクトの中で開催しようとしていたイベントが、コロナウイルス感染拡大により何度か開催できなくなってしまいましたが、開催できた際には以前に葛尾村にインターンに来ていた大学生の方々が来てくださったのでとても嬉しかったです。
現在はいわき市に住んでいて戻って来ることは難しく、大学への進学で県外に出るので、将来的に葛尾村へ戻って来るかどうか分かりませんが、今後も葛尾村で開催されるイベントや村の行事に参加して、葛尾村にずっと関わっていきたいです。
(2021年12月 取材)