INTERVIEW

PLAYER INTERVIEW

農家(葛尾村下葛尾地区)
松本 アキ子 さん

私は、下葛尾地区で生まれて下葛尾地区で育ち、同じ地区で出会った今の主人と結婚しました。震災前の下葛尾地区では、葉タバコ、米の栽培のほか、畜産も盛んでした。今は牛を育てる人がほとんどだけど、昔は馬を育てている方も多くいたんです。私が嫁いだ今の家も、葉タバコと米をつくりながら2頭ほど馬を育てていました。馬は定期的に運動させなくてはいけないんだけど、でも、人が一緒に走るわけにはいかないでしょ?だから、うちは主人のお父さんが家の横のちょっとした草原で馬を放って、バイクに乗って追いかけて運動をさせていました。育てた馬は競りに出して、その後競走馬になりました。うちで育てた馬がテレビに映ったこともあったんですよ。

震災が起きた後、避難した先は郡山市でした。避難中は、体を動かしたくて市内のパン屋さんで働きました。それまで、村で農業や畜産しかしたことがなかったので、お店で働くのはとても大変でしたね。月に何回か新作のパンが出るので、パンの名前を覚えるのが大変だったし、たくさんの人とやり取りしないといけないのも大変。それに比べたら農家って楽だなって改めて思いましたね、自分の好きなようにできるから。葛尾村の避難指示が解除されて、主人も葛尾村に戻ると言ってくれたので、村に戻ってきました。

今は月に何回か、同じ地区に住む人と一緒に村内の施設の掃除をしたり、草刈りをしたりしています。もちろん農業もしていますよ!葛尾むらづくり公社さんが企画してくれた『とも市』という直売所に毎週木曜日、うちで育てた野菜を出しています。昨年からは、農協に出荷するためのピーマンを育て始めました。今年は昨年の倍の広さの畑でピーマンを育てます。7月頃から収穫が始まるので、今まで以上に忙しくなりそうです。うまくできるかわからないけど、今から楽しみです。

農業は、その年の天候によって野菜の栽培の仕方も変わってくるし、毎年同じやり方っていうのがないんです。毎年農業1年生!って感じ。でも、それが面白いし、楽しいんですよね。これからも主人や部落の人たちと楽しみながら農業をやっていきたいですね。

(2021年4月取材)


ページ上部へ