INTERVIEW

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葛尾村社会福祉協議会
佐藤 智加子さん

2016年6月に一部を除き避難指示が解除になった葛尾村の社会福祉協議会で、住民宅への個別訪問のほか、交流サロンの企画・運営を担当しています。

村内に戻っている人の数は少しずつ増えていますよ。やはり高齢者が多いので、葛力創造舎代表理事の下枝さんのような若い方が村に帰ってきてくださるのは本当に貴重です。最近は他にも、小さいお子さんを連れた若いご夫婦が2組ほど移住されてきました。葛尾にはまだお店もほとんどないですし、冬の間は土いじりもできません。どうしてもみなさん家にこもりがちになるので、そういう若い方も含めて住民の方が楽しく集まれる機会を作っています。

2017年2月には、初めて下枝さんの発案による「餅つき」を行いました。住民の筋力維持のためのトレーニングマシンを社協が購入し、そのお披露目会をやることになったのですが、それだけでは集まってもらえないかもしれないと思っていたところに、下枝さんが提案してくれたものです。モチ米から臼や杵、道具も全部準備してくださって助かりました。おかげさまで30人ほどの住民が参加され、みなさん最初は見ているだけだったのが、途中から「私もやる」といって手を出し始めて、下枝さんが用意してくれた「餅つき歌」を歌い、最後は千本杵でみんなで餅をつきました。キャベツ餅、くるみ餅、きなこ餅と3種類にしていただきましたが、本当においしかったですよ。「久しぶりにこんなコシのある餅を食べた」といって、みなさん大喜びでした。

こうしたサロンはこれまで月1回開催してきました。社協の職員がアイデアを出し合って、運動会や語り部の会、小旅行などを企画しています。三春や郡山など村外で避難を続ける方にもチラシを配って、最初は6~7人程度だった参加者は、今では平均20~30人に増えています。葛尾の冬は厳しく、みなさん元気がなくなりがちですが、暖かい季節になれば村へ帰る、あるいは村内に再建しているご自宅が完成したら帰るという方も増えてくるでしょう。今後、サロンなどのイベントをさらに充実させていくには、企画も準備も大変になってくるので、アイデアの「引き出し」をたくさん持っている下枝さんの力をぜひお借りしたいですね。

次は、種まきからはじめて田植えから稲刈りまで、みんなでコメ作りをする企画を練ってくださっているようです。住民の方々は土をいじったりするのが大好きなんですよ。そういう企画があると、孤立しがちな方も外に出てくるきっかけになるし、餅つきのときのように楽しく共同作業をすると、みなさん本当にいい笑顔になるんです。下枝さんと一緒にどんなことができるか、楽しみです。

(取材:2017年3月 M/N)


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