PLAYER INTERVIEW
私は2022年4月より葛尾村の給食センターで働いています。葛尾村出身ですが、村での生活は中学3年生以来二十数年ぶりです。高校進学と同時に村を出てそのまま東京の大学に進学しました。その後Uターン就職し、学校栄養職員として村外の様々な学校や給食センターに勤務してきました。その中で強く感じていたことは、いつか地元葛尾村に戻って何らかの形で故郷に貢献したいという感情です。食の道に進んだのも、葛尾村に戻りたいと思っていたのも、どちらも子どもの頃の給食の思い出があったからこそです。
当時の葛尾村の学校給食は、葛尾村出身の栄養士さんが世界の料理や日本各地の郷土料理、バイキングにテーブルマナーと創意工夫を凝らしたとっても美味しい手作りの給食を提供してくださっていました。おそらくその当時、こんなにも工夫され、手の込んだ給食が提供されていたのは「全国的にみても葛尾村だけ!」といってもいいくらい自慢の給食です。
現在私は、給食センターでの仕事だけでなく、葛尾村盆踊りの企画・運営に参加したり、むらづくり公社さん主催のせせらぎ荘でのイベントに調理スタッフとして参加したりしています。各種イベントで、村民の方々はもちろん、村内の子どもたちがたくさん集まって楽しそうに参加している姿を見るととても嬉しく、やりがいも感じています。
私は子どもたちの中に「食」を通して「葛尾村での楽しい記憶」を残したいと考えています。葛尾村から通学できる高校は限られているので、村の子どもたちは私のように高校進学と同時に村外に出ていき、そしてそのまま就職・進学し戻って来ないという状況が多くあります。これから先、進学を機に葛尾村を巣立っていく子どもたちが「戻って来たい」と思ってくれる要素の一つとして、美味しい食事、楽しい食事を通し「故郷で美味しいものを食べた!」という記憶を子どもたちの中に残したい。そのために給食はもちろん食に関係する様々なイベントに今後も参加していきたいです。
その中で子どもたちに「食」を通して様々な体験をしてもらい、食の分野での都会と地方のギャップを埋めてあげたいとも思っています。現在はコロナ禍の影響で中止になっていますが、それまでは村民の方々を学校にお招きして一緒に給食を食べる「ふれ愛給食」を頻繁に開催していました。令和5年度は復活に向けて準備を進めておりますので、開催の折にはたくさんの方に参加していただきたいです。そして村民の皆さん、村内で活動している方や団体の方たちと協力して、子どもたちと葛尾村を繋ぐ架け橋になっていきたいです。
(2023年2月取材)