INTERVIEW

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葛尾村役場 地域振興課地域づくり推進係
松本 寛さん

千葉県出身で、大学卒業後は別の仕事をしていましたが東日本大震災の後、被災地のために何かしたいと思い、2013年に葛尾村へ移住しました。「何もない」と言う人もいる葛尾ですが、私はむしろ「何かなくちゃだめなの?」と言いたくなるくらい、人の温かさや土地の良さを感じられる場所だと思っています。

地域振興課は農林業、畜産業、村道や村の建築物などに関する仕事を行っています。中でも私の担当は、林業と園芸作物、空間放射線量や農作物の線量に関する業務です。原発事故被災地の農作物は、出荷はもちろんのこと、近所の人に譲る場合でも放射性物質検査が必要です。しかしそれが住民の方々に周知されていないことが課題だと感じていました。私が担当となって3年間、ひと月おきに広報にお知らせを続け、その結果、徐々に皆さんの意識が変わってきたことを実感します。空間線量も概ね下がってきており、大きな心配が減っているのは嬉しいことです。現在帰村している方々の(放射性物質に対する)意識はより良くなっていると感じますが、これから帰ってくる方や新しく来る方のためにも、正しい情報を周知し続けなければならないと思っています。

葛力創造舎は村でいろいろな活動をしてくれて、とてもありがたいと思っています。林業を担当する私は村の小中学校での環境学習にも関わっているのですが、葛力のイベントに来る学生さんたちに、たとえば山の散策や工作教室などの学習に参加してもらえたら面白いでしょうね。また、役場の中だけ、村の中だけでは考えが固まってきてしまうところもあるので、葛力を通して学生さんや他のいろいろな人の意見、新しい考えをもっと聞けたら嬉しいと思っています。

(2020年5月取材)


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