INTERVIEW

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福島県立ふたば未来学園高等部1年生
松本 栞奈さん

私の通うふたば未来学園は、探究学習に力を入れています。探究学習は、『相双地域で小さなアクションをおこす』をテーマに行われていて、1年生から3年生まで自分で地域が抱える課題を見つけ、課題解決のために自分たちに何ができるのかを考えていきます。私は、自分の出身地である葛尾村を探究のフィールドに選びました。

私は祖父母と両親、弟と一緒に葛尾村で暮らしていて、5歳の時に震災を経験しました。震災後は田村市船引町に避難し、葛尾村の避難指示が解除になると、祖父母は村に戻りましたが、私たちは私も弟も船引町の学校に通い始めていたこともあり、船引町に残ることになりました。そうやって葛尾村外で過ごす時間が長くなるにつれ、改めて葛尾村が好きだと感じるようになったのです。

葛尾村は、自然が素晴らしいなと感じています。緑がきれいで、夜になると星がとてもきれいなんです。そして何よりも、人が優しいところがとても好きです。小さい頃家の近くを歩いていると、近くに住むおばあちゃんがジュースをくれたり、幼稚園に通うために利用していた村内を巡回するバスの中では、大人も子ども関係なく交流があったり、葛尾村の人の温かさを身近に感じていました。今でも、当時感じた人の優しさ、温かさを思い出します。

高校の進学をふたば未来学園に決めたのは、探究学習を通して、相双地域や葛尾村に関われると思ったからです。実際に夏休みには葛尾村に足を運び、文化財や村にある施設について調査をしてみました。(調査結果をまとめた資料が復興交流館あぜりあに置いてあるので、見てもらえると嬉しいです。)調査を通じてそれまで私が知らなかった葛尾村を知ることができて、漠然と葛尾村が好きではなくて「葛尾村の自然が好き、人が好き」と好きな部分を言えるようになりました。そしてもっと村のことを知りたいと思うようになりました。

探究学習を通してさらに、村に対する村民の気持ちを知り、村の将来のために自分に何ができるのかを考えていきたいです。その第一歩として、葛尾村の自然と人、村内外に住む若い人たちをまきこんだイベントができないかを考えています。どんな形になるかはわからないけれど、今からワクワクしながら企画をしています。

卒業後は大学進学を考えていますが、将来的には、生まれ育った葛尾村に戻ってきたいと思っています。私が私らしく自由に生きられる場所は、葛尾村だと思うからです。これからもこの気持ちを大切にして、学生生活を送っていきたいと思います。

2021年10月取材


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