INTERVIEW

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(葛尾村 大放地区)
松本 和子さん

震災前、私たち家族は孫を含めた10人、猫3匹と犬1匹で葛尾村に暮らしていました。避難生活を経て村に戻っていますが、今は夫と二人暮らし。昔の騒がしさが懐かしく、寂しく感じるときもあります。

当時保育園児だった孫はもう中学生ですが、今でもこの家に「ただいま!」と言ってたまに帰ってくるのを楽しみにしています。その度に思い出すのが、4年前に避難指示が解除された後、最初に孫たちが葛尾村の家に帰ってきたときのこと。「こんなところに引き出しの取手あったっけ?」とか「こんなに天井低かったかな」などと話しているのを聞いて、それだけ孫たちが成長したのだと感心すると同時に、震災からずいぶん時間が経ってしまったものだと感じました。

震災前は給食センター職員を含む村の嘱託 職員、仮設住宅移動後は集会所の管理人をしていましたが、現在は職を持たずに時間の流れにまかせ、のんびり気ままに暮らしています。趣味でパッチワークやクラフトバンドをしていますが、作ること自体の楽しさに加えて、やはりみんなで和気あいあいと話しながら作業できるのが好きです。

葛尾村では30年以上前から公民館でパッチワーク教室が催されていましたが、私は昨年の4月から通い始めました。以前の教室ではみんなで一つの大きな共同作品を作っていましたが、近年は同じテーマの作品を一人ひとりが作ったり 、お互いに自分の作品を見せ合ったりするのが主になり、年に一度の共同制作のプレッシャーから解放されてのびのびと活動しています。見せ合うときは年齢の上下関係なく褒め合い、いいなと思った作品は皆でその作品の型紙を交換しあったり、教室中もパッチワークで動かす手より話に熱中して口の方が動いていたりすることはよくあります。そんな和やかな空間だから、たまにパッチワーク用の針箱を持たずにおしゃべりだけしに行くことも。とにかく教室に通うことが楽しく、毎回待ち遠しく感じています。

これからも村の人たちと親密な交流を続けながらのんびりとした生活を楽しみます。

(2020年9月取材)


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