INTERVIEW

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東京経済大学2年(東京都)
堀田 滉樹さん
復興庁「復興・創生インターンシップ事業」(2020年夏季)インターン生 

僕は、「葛尾創生電力株式会社」でインターンをしました。きっかけは、「カケタス」という全国規模のインターンシップ説明会に参加したことです。そこで初めて葛尾村のインターンのことを知りました。僕は、大学に進学したころから「まちづくり」に関わりたいと思うようになりましたが、具体的には何をしたいのかわかりませんでした。このインターンに参加することで、自分のキャリアビジョンを少しでも明確にしたい、自分自身を見つめなおしたいと考えたのです。

インターンシップの内容は、僕を含む4人のチームで「会社の広報戦略を提案する」というものでした。実はこのプロジェクト内容は当初の予定から変更されたもので、正直かなり戸惑いましたが、他のメンバーや地域コーディネーターの支えもあり、進めることができました。成果物としては、「営業用の会社パンフレット」と「事業内容を地域住人に知ってもらうためのイベント企画書」の大きく2つの提案をしました。僕たち4人が2か月間苦労してまとめた成果物に企業様も満足して下さったようで、諦めずにやってよかったと思います。

質の高い提案ができたのは、チームメンバーの存在があったからこそ。自分一人では絶対にできなかったと思います。チームには、例えば僕のように地域づくりに興味のある学生もいれば、環境問題に関心のある人もいたりと、様々なバックグランドの人が集まっていました。相手の意見を否定せずに受け止めて、尊重してくれるメンバーのおかげで、プロジェクトを協力して進めていくことができたと思います。また、4人チームだったからこそ、勢いだけで進むことなく、客観性を保ち、基本に立ち返りながら活動ができました。今回のインターンで協働することの大切さを実感できました。

今回のインターンシップは、当初の参加目的に照らしても、自分自身のキャリア形成に役立ったと実感しています。また、全面オンラインが原則だった中で、現地を訪問できたことは大きな経験でした。葛尾村の過疎の問題、原発事故被災地域ならではの課題、担い手の不在、財源不足、放射能汚染、風評被害などの話は何となく聞いていましたが、実際に現地で見て・触れて・感じることができたのは、非常に大きな学びとなりました。リアルな課題に立ち向かう人々と、次の世代へ託す人々、立場は違ってもその人なりの暮らしがある。その一端を垣間見ることで、僕は地域に関わるとはどういうことなのか、これまで未知だったものに対し、少しだけイメージを持つことができました。

△堀田滉樹さん(左)と、同じくインターン生の星葵衣さん

 

もうひとつの大きな気づきは、人と積極的に関わることの重要性です。インターンに限らず、何事も自分から積極的に求めていかないと得られるものが少ないということです。僕は葛尾でのインターンが終わった後すぐ広島に来て、ゲストハウスに宿泊しながら大学の授業をオンラインで受けています。もう1か月近くになりますね。ここでの僕の楽しみは、人と会話すること。既にたくさんの現地の方とお話ししましたが、人それぞれのドラマがあって、人生経験のおすそ分けをいただくような気がして夢中になって話を聞いてしまうんです(笑)。葛尾では地域コーディネーターの方に村内を案内してもらうことが多かったので、もっと自分から積極的に話を聞いたりすればよかったなぁなんて、少し後悔しています。

僕の夢は、それが仕事なのかプライベートなのかは別として、日本中を飛び回って各地域の抱える課題を解決しながら旅をすることです。そして、日本中に「自分のまち」、つまりどこに行っても知り合いの人がいて、行きつけの店があって、語り合える仲間がいて、何かしようと思えばすぐ実行できる・サポートしてくれる仲間がいる状態を創れたらいいなと考えています。これを現実にするために、自分自身の「まちづくり」という言葉の解像度を高めることが必要だと感じています。「まちづくり」という概念はかなり抽象的なので、具体的にどんなことがしたくて、自分に何ができるのか、何が求められているのかを時間をかけて理解していきたいです。そして、できることを増やし、やりたいことを明確にして、求められていることに対応できるだけの経験を積んでいきたいと思います。

第一歩として、今広島に来ているように日本全国いろいろなところへ行って、五感を通じてまちを知る(人を知る・歴史を知る)経験を重ね、その中で自分の「まちづくり」を模索していきたいです。

(2020年10月取材)


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