INTERVIEW

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音楽家/サウンドクリエーター
大岡 真一郎さん

福島県須賀川市出身で、音楽との関わりは小学生の時、フルートからでした。10代で一人地元を離れ、屋久島を拠点にして福岡で好きな音楽と様々なアルバイトをしながら、サウンドクリエーターの立場を確立していきました。CMからスタートし、アート、ポピュラー音楽、ロボットバンド、映像音楽、サウンドインスタレーション、とフィールドは今も広がり続けています。

東日本大震災は、福岡で知りました。東北と福岡の距離に情報も行動も制限され、もどかしさと焦りが募る中で、自分の夢を中心に考える生き方を一端手放し、自分の出来ること、やるべきことを探して行かなければと思うようになりました。

福島に拠点を持ったのは、福島出身だったから。福島で活動を始めた多くのアーティストの人たちの動きを知り、自分の立場で、福島に何をするべきかを考えた時、音楽人としてより、福島人として関わることを選びました。長く福島を離れていたので、まずは繋がりづくりが必要で、連絡をした西会津国際芸術村がスタートとなり、出来ること、やるべきこととして役割を果たす活動から生まれた作品は、大都市で活動するクリエーターに刺激を与える結果にもなっていきました。

葛尾村との初めての関わりは、仕事で受けた企業のCSRプロジェクトで、限られた時間と機材で初対面の人たちと映像を作るというものでした。その後、何度となく葛尾村に足を向けることになったのは、葛尾村で感じた既視感と、何より人です。かつての村の風景を取り戻したい、育てていこうとする人に触れ、どんな形でも関わり続けたいという思いが生まれました。そんな中、音楽で関われたCM作品の審査員特別賞受賞は、仲間と共有した時間の評価として得た喜びでした。皆が葛尾を伝えたい、の一点で本質に向き合った純粋な思いは、プロとして求められる表現者の立場で関わるものとは大きく違い、それは今も特別な感情として私の中に残っています。

純粋に作ったものは、強い、美しい。という収穫は私の音楽に影響をもたらしています。

これからも、葛尾村の発信のひとつの役割を果たし続けたい、そして、葛尾村で、福島県で注ぎ込まれた感性を表現者として発表し続け、音楽家・大岡真一郎が好きなところ、居るところ、として葛尾村が注目される、そんな成長を続けていきたいと思っています。

(2019年9月取材)


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